富士見台駅近く 麵処盛盛。手塚治虫の虫プロ、手塚ゆかりの越後屋・中華純華・蕎麦屋更科。


























3/19(火)は昼からインドアテニススクールに参加しました。生徒が二人だけだったので、私はフォアハンド、もうお一人はバックハンドを夫々にコーチから集中的に教えて貰いました。
コーチの見立てによると、私のフォアハンドは力み過ぎ、姿勢が前屈している、リズムが無い(不精して、棒立ちで球を待っている)、前方に押し出すベクトルが強すぎて球がバックアウトしてしまう、という欠点があります。改善ポイントは以下4つ。

①力み過ぎなので、上半身を捻って球を待つための腰骨を立てた姿勢の維持の為と振りかぶり(バックスウィング)の為だけに力を使い、インパクト前から脱力してヒットする。
②身体が前に屈みこむ癖があるので、腰骨を立てる
③棒立ちで球を待っていてはダメ。両足でステップイン、身体の方向転換、後ろ足体重(つま先重心)で振りかぶり、前足体重(つま先重心)でヒット、の一連のプロセスを毎回行って、リズム良く打つ
④前方にフラット気味で打ちすぎ。ラケットを上方にフィニッシュして、球に順回転を掛ける。

テニスの後で自転車で富士見台駅方面に行き、最近ネットで評判の良い立ち食い蕎麦屋 麺処盛盛にて肉そば590円を食しました。とっても期待しておりました(←不審な導線部)。

立ち食いのみの店舗で、外側に面したカウンターは吹きさらしで寒かったので、店内カウンターに避難しました。調理場はとっても狭く、ガタイが良くて刈り上げ頭で耳ピアスをした若いお兄さん二人が調理をしていました。まるで家庭用バスタブに若い男二人で入っているみたいで、就労環境は厳しそうです。極めて狭いので、腰が痛くなると思います。

麺は太くてモソモソしていて私好み。ネギは縦切りで食べ応えあり。汁は味の濃さの指定が出来るようでした。ガテン系が多くを占めるお客さんは皆さん同様に「美味しかったです!」と元気に挨拶して店を後にしておりました。

私の好きな要素が多く含まれる店なのですが、何故か私とは致命的に相性が悪かったです。
「何故、私は美味しく感じないのかな?私の舌が狂っているのかな?これで590円ってコスパ悪いよな?私の経済観念が狂っているのかな?」と堂々巡りのように悩みながら食べました。
「美味しかったです!」と挨拶できず、自責の念に苛まれつつ店を後にしました。

富士見台駅近くの狭い横道を進むと、故手塚治虫が立ち上げたものの経営が迷走して一度倒産したことで有名なアニメ制作会社、虫プロの小さな建屋があります。周囲は極めて普通の住宅地です。この近辺は、道が矢鱈と狭いですな。
尚、手塚作品の著作権のお陰で羽振りの良い手塚プロと、富士見台駅近くにひっそり佇む本件の虫プロは全くの別物です。
簡単に描写すると、商売上手の金持ちと世渡り下手な貧乏人です。身につまされます。

現地は、元々は手塚自宅を含む広い敷地を持った大規模な建屋だったものの、肝心の手塚は経営方針の対立により1971年に虫プロ経営から離脱してしまいました。背景には手塚の理想主義と現実の不一致・赤字経営・労働争議があるようです。
本件虫プロは手塚作品の初期アニメ制作を手掛けていたものの、今日から見ると手塚の痕跡は「虫プロ」という名前にしか残っていません。

虫プロ出身の有能なアニメーターの方々が今日のアニメ業界に沢山居られるようですが、皆さん虫プロから独立して続々と別会社を立ち上げていきました。
近年の虫プロ制作によるアニメ作品は下請けやお役所絡みのパッとしないものが多く、実態として著作権切り売りで会社存続していた模様です。
虫プロは、「手塚治虫」との腐れ縁という既得権を主張し続けて50余年、という存在だったように思います。
現存する虫プロのボロボロの建物は「手塚の日陰の一面を伝えるモニュメント」です。

1970年代の倒産頃の虫プロの過酷な製造現場を、手塚は面白可笑しく(自虐的に?)漫画に描いていますが、アニメーターが天才手塚に振り回された挙句の徹夜続きでバタバタ倒れるようでは、今日ならば悪質なブラック企業と見做されます。
手塚のような天才が会社を経営してはいけません。天才芸術家と金勘定は共存不可能です。

虫プロでは最盛期に数百人のアニメーターが仕事をしていたようです(急成長したので、虫プロは社員数を正確に把握していなかったとの酷い証言もある)。
近隣の中華純華(元気に営業中)、蕎麦屋更科(店主の高齢化により店仕舞いが近いかな?)は虫プロ関係者を相手に相当の売り上げがあったと想像します。肉屋・ステーキ屋・カレースタンドを経営している越後屋の現存ビル二階三階は、手塚が賃貸して仕事をしていたことがあるそうです。
富士見台駅周辺は、虫プロの門前町として栄えた歴史があるのかしら。

現在残っている虫プロの小さな敷地と建屋は手塚遺族の所有で、虫プロは(恐らく経営不振により)近年では家賃不払い状態となり、遺族から家賃請求の裁判を起こされて負けました。
木造二階建ての小さくて古い虫プロ建屋は人の気配が全く無い廃墟同然で、近日中に取り壊されて土地は売却されると想像します。跡地には虫プロの墓碑を建てるのかしら。
虫プロ遺跡を見に行くなら、早い方が良いです。

天気は良かったけれど風がとても冷たくて、服の選択を誤って半ズボン姿で自転車でフラフラしていた私は寒さで頭が痛くなりました。季節の変わり目の寒暖差恐るべし。
2024/3/19

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