私の好きな日本語 中島敦 山月記。優れた文学で我々は幸せになれない。自然科学の恩恵に感謝すべし。馬の耳に念仏。 











隴西の李徴は博学才穎、天宝の末年、若くして名を虎榜に連ね、ついで江南尉に補せられたが、性、狷介、自ら恃ところ頗厚く、賤吏に甘んずるを潔しとしなかった。いくばくもなく官を退いた後は、故山かく略に帰臥し、人と交りを絶って、ひたすら詩作に耽った。

⇒今日、我々が文化的で健康な生活を満喫しているのは、環境衛生の向上と感染症予防の充実による感染症(コレラ、ペスト、スペイン風邪等)の克服、化学(尿素)肥料・農薬・品種改良の進歩による食料増産のお陰での栄養充足、高度な医療進歩によるウィルス・細菌感染症(結核、肝炎ウィルス、ピロリ菌等)の制圧、そして重化学工業を始めとする製造業全般と最近のIT産業の発達による生活利便性の向上のお陰です。これらは全て自然科学です。

現代の我々は文化的で病気知らずで、乳幼児の死者は極めて少なく、夏は涼しく、冬は暖かく、お腹も満ち足りて暮らしています。しかし、上述の自然科学の発展が無ければ、我々の半数は死んでいたのです。1900年代前半までと比較すると、我々は夢のように幸福な時代に暮らしています。

私が敬愛する中島敦の名著 山月記の主人公が人生を捧げたのは詩作です。しかし主人公は不幸でした。中島敦は喘息で苦しみぬいて、1942年に33歳で亡くなりました。中島敦も又、不幸でした。優れた文学で人々は幸せになれません。

1900年代前半は、哲学と社会主義が世を支配しました。それ以前も、世界では人文科学・社会科学が幅を利かせていました。しかし世界の大多数の人々は不幸でした。

自然科学の恩恵のお陰で今日の我々が幸福になったのは明らかでしょう。
現在の大多数の人々の身の程を超えた幸福な日々を考えれば、我々は1900年代以降の自然科学の進歩と、自然科学が幅を利かせ始めた1900年代後半以降の世の中に感謝すべしと思います。

でも近年、罰当たりにも人文科学・社会科学と自然科学をごちゃ混ぜにした挙句、自然科学の恩恵を否定する、新手の馬鹿が現れました。国際機関の利権と白人優位思想でお馴染みの欧州が放つ鉄砲玉、トゥーンベリ女史です。

トゥーンベリ女史、じゃあ貴方は感染症に掛かって、乏しい食糧で栄養失調になって、結核で苦しんで、電気も暖房も鉄もプラスチックもPCも無しに、北欧の寒い森の中で美しく暮らしなさい。

映画「みじかくも美しく燃え」1967年作 みたいで憧れちゃうな。頑張ってね。馬の耳に念仏かしら。2022/11/24

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