「Head Liquid Metal」 自分の本能の赴くままに体力100%を使ってラケットで球をバコスカ打ちまくるのはアホ。体力消費率10%程度のリラックスしたヒッティングを心掛けましょう。
私は2003年頃、北米デトロイト郊外に住んでいて、毎週、テニス個人レッスンを受講していました。確か当時の個人レッスン料金は$80/時間位でした。その際、テニスレッスンコーチに奨められ、「Head Liquid Metal」というラケットを購入しました。
2003年当時は全く気が付かなかったのですが、この「Head Liquid Metal」ラケットは、振りぬき心地とダイレクトな打球フィーリングで評判になってベストセラーになったラケットで、今日でも「振りぬき心地とダイレクトな打球フィーリング」の点で、このラケットを追い抜く新規発売のラケットは存在しないそうです(と、今通っているテニススクールのコーチが言っていました)。
今週、気まぐれでこのラケット「Head Liquid Metal」を自室クロゼットから取り出して、水曜日のテニスレッスンで使ったところ、ラケット面が羽毛のように軽やかに走るので簡単に強打することが出来て、打球時に「ブシュッ」という球の潰れる音がして、極めて快適にストロークを打つことが出来ました。
一方、私のストローク達成感にも関わらず、飛んで行く打球の球筋は安定しませんでした。
何か起きたのかと言うと、打球感の良さに有頂天になった私は、打球時に球を慎重に見ること及びラケットの打球面角度を意識することが全く疎かになっておりました。
これは大変皮肉な話で、球を軽やかに打つ時は、「打球面を意識せずに(若しかしたら無責任な程の気軽さで以て)」、ラケットを振り切る必要があります。ラケット面の走りが羽毛のように軽やかで球を簡単に強打することが出来るHead Liquid Metalは、将にこの振り切り易さの性能において極めて優れたラケットなのですが、私はこのラケットの打球感に酔うあまりに乱暴な打ち方をしてしまっていたのです。
天使と悪魔のような話ですが、球をラケットで打つ際のポイントとして、上述の「打球面を意識せずに(若しかしたら無責任な程の気軽さで以て)」とは全く逆の要求もあります。即ち、飛んでくる球の回転や軌道を良く見てから打つこと、飛んでくる球の入射角をラケットが無理なく包み込むような角度で迎え入れて、体力消費率10%程度のリラックスしたヒッティングを心掛けることです。
まあ「ラケットを気にせずに無心で打て。でも、球をちゃんと見て球の軌道も良く考えて、入射角と逆側からラケットをスウィングして、リラックスして球にソフトに当てろ。これらを両立しろ。」と言われたようなものですな。
「何も考えずにラケットを振れば良いのか?よく考えて振れば良いのか?どっちやねん!」と、関西人ではない私であっても叫びたくなります。
まとめると、「球を見てから打つ&球の軌道に合わせて打ち方を調整する」という心掛けが必須なのにも関わらず、この極めて振りやすいラケット「Head Liquid Metal」を使うと、打球感の良さゆえに愚かな私は有頂天になってしまって、自分の本能の赴くままに体力100%を使って球をバコスカ打ちまくって、必然的に試合で全敗してしまったのです。
さすがに私もそれ程バカではないのでこの問題に気が付いて、金曜日に「Head Liquid Metal」の使用を中止し、昨年購入したラケット(慎重なヒッティングと自制心を、使用者に求めてくる気配のあるラケット)に使用ラケットを戻し、馬鹿みたいにブン回さずに、慎重なスウィングを心掛けるようにしました。
長年愛用したので打球のコツが私の身に付いている、使い慣れたラケット「Head Liquid Metal」ラケットを、気軽に振り回して強いストロークを打つのはとても快感ですが、どうもそれでは自分のテニス技術が向上しないようです。悲しいけれど「Head Liquid Metal」ラケットは再びクロゼットで寝かせておいて、昨年購入のラケットを使って、有頂天にならずに、体力消費率10%程度のリラックスしたヒッティングをしていきたいと存じます。
以上の記載を改めて読み直しましたが、自分でも何を書いているのか皆目判りません。「右見て左見て両方見て、ついでに上下も見て」みたいな内容で、「ふざけるな」と言われても致し方ありません。
故に、このサイトを読んで下さっている奇特な皆さんが内容を理解出来なくても、気にしなくて良いです。蓋し、テニスを身に付ける道(テニス道)は、深くて長い。2023/10/7