九州の珍味 私が20歳の時、55歳で亡くなった父親の思い出と共に
①梅ヶ枝餅
熊本県大牟田で高校時代までを過ごした私の父親にとって、太宰府天満宮名物の梅ヶ枝餅はとても美味しいお菓子だったようで、三井東圧大牟田工場に出張した時、藤沢の自宅に必ず買って帰って来ました。
薄いお餅で餡を包んで、一寸焼き目のついた餅菓子です。私は佐賀県に2年ほど単身赴任していましたが、自家用車で太宰府天満宮に観光に出掛けた時にこの梅ヶ枝餅を食べました。感慨深かったです。
②松浦漬
1,300円/缶位の缶詰です。クジラの軟骨を甘い酒粕で漬け込んだ、何とも面妖な佐賀県唐津の名産品の缶詰です。父親はこれが好きだったようで、どこからか買ってきた父親が、自宅で食べていた様子を記憶しています。佐賀県内で売っていたので懐かしくて私は買いましたが、旨いのか不味いのか良く判らない不思議な食べ物です。まあ酒のつまみです。
③辛子レンコン
レンコンに辛子風味の小麦粉を詰めて、辛子風味の小麦粉の衣を付けて揚げた珍味です。熊本県大牟田の名産で、父親から話を聞いておりました。佐賀県から大牟田までは高速道路で1時間程度なので、観光で熊本に自家用車で出掛けた時に辛子レンコンを買ってみましたが、辛い割に味が無くて、私には不味い食べ物でした。残念ですな。
④長崎ちゃんぽん、皿うどん
1960年代まで九州では良質の石炭が沢山取れたので、炭鉱労働者向けのご馳走として長崎ちゃんぽんと皿うどんは、九州全域で根付いています(炭鉱労働者の給与は高かった)。
佐賀県にも炭鉱が多くあったので、今でも沢山のちゃんぽんの店があって、安くて量が多くて美味しかったです。佐賀県では、井出ちゃんぽんが一番有名だったと思います。
父親は、彼の父親(私にとって父方のおじいちゃん)に連れられて休日に大牟田のちゃんぽんの店に行く外食が、子供の頃の楽しみだったと話してくれました。
父親は熊本県大牟田で暮らした子供の頃が楽しかったらしく「また九州で暮らしたい。」と亡くなる前に何度も言っておりました。
残念ながら彼の思いは叶わず、父親は55歳にして神奈川県藤沢市で亡くなりました。
私は佐賀で2年間暮らしたのですが、確かに父親の言っていた通り、九州は食べ物が軒並み美味しくて安くて、とても良い地域だなぁと思いました。2023/7/16