オーストリアの暗部を描くカルト映画 「The Night Porter」 低予算で雑な作りの映画。


 

















Charlotte Ramplingが戦時中にナチ制服を着て、ナチ党員の飲み会でドイツ語で歌いながら半裸(痩せて貧乳)で怠惰に踊るシーンばかりが有名なカルト映画です。見所はそこだけ、結論として駄作です。

舞台は1950年代後半のウィーンで、戦時中にナチ党員で犯罪行為をしたために、戦後にナチ犯罪者として捕らえられる恐れのあるオーストリア人達がグループを作り、協力して自分達の過去の犯罪行為の証拠を抹消し、証人を抹殺しながら生活しています。彼らは今でもナチに忠誠を誓っており、ナチ党員だった過去を密かに誇りにしています。気持ち悪い奴らです。

このグループの一員で、ナチ党員として戦中に強制収容所で美しい少女Charlotte Ramplingを慰み物にして楽しんだDirk Bogardeは、戦後はウィーンの小さなホテルの受付従業員として、世間の目を避けてひっそり暮らしています。The Night Porterです。そのホテルに偶然、アメリカ人の指揮者と結婚したCharlotteが夫婦で宿泊することになり、元ナチ党員と元少女の二人が再会してしまいます。

ウィーン出身のCharlotteは、強制収容所で慰み物にされている内にDirkを愛し始めていたことを思い出して体が性的にムズムズしてきて、ヨーロッパでコンサートツアーを続ける夫と遂に別行動を始め、Dirkのウィーンのアパートに隠れ住むようになります。馬鹿女です。

Dirkは美しいCharlotteに執着し、二人は狭いアパートでSM的に愛し合います。お互いにガラスで傷つけあったりします。変態です。あるベッドシーンでCharlotteの口腔内が映り、彼女の銀歯が見えるのは興ざめです。

話は脱線しますが、良い子の皆さんは半年に一回、信頼できる歯科医に通って歯石除去やホワイトニングなどの定期健診を受けましょう。61歳の私は、昨年からインビサラインで歯列矯正中なので、毎月1回歯科医に通っていて、定期健診も同時に受けています。意外にも歯の移動が速いので、あと半年で歯列矯正が終わりそうです。インビサライン矯正の所要費用は、総額80万円位です。

Carlotteを守るために、Dirkは殺人を犯します。元ナチ党員のグループは、自分達の過去の秘密を守るためにDirkとCarlotteを抹殺しようとします。二人はアパートに引き籠っていますが、元ナチ党員達はアパートへの食料デリバリーを阻止して、彼ら二人を兵糧攻めにします。二人は飢えます。

これら後半はアパート室内シーンばかり、かれら二人のむつみ合いばかりが続くので、映画展開に広がりはありません。実に低予算のソフトなエロ映画です。これらエロシーンは、最近のどぎついエロ動画に慣れた人々にはあくびが出る程に暗示的で、もの足りません。

最後にアパートを夜に脱出する二人ですが、Dirkはナチ制服、Carlotteは収容所でDirkに買ってもらったものに似た、ピンクのピラピラのブラウスを着ています。この二人は最早、正気ではありません。夜陰に紛れて、彼ら二人は元ナチ党員達に銃殺されます。映画お終い。

Charlotte Ramplingはイギリスの女優ですが、親が軍事関係者だったらしく、戦後にフランスやスペインで暮らしていたので、複数言語を流暢に話すことが出来ます。彼女はヨーロッパの複数国の映画に出演していますが、あまり有名な映画には出ていないようです。今でも彼女はお奇麗です。貧乳万歳。この映画が好きな人は、Charlotteの貧乳が好きと白状すべしです。

オーストリアはドイツ同様にナチ影響が強かった国であり、しかもドイツと違って戦後もナチ関係者が隠然と生き残った国で、今でも極右の勢力が強いです。元々ナチ党はオーストリア発祥です。言わばオーストリアは、ナチによる戦争責任に頬かむりをした卑怯者の国です。

私は20歳代の終わり頃にヨーロッパをバスツアーで周遊旅行したことがあって、ウィーンに2泊して街中を独りで見て回りました。とても陰気な街で妙な印象を受けました。現地の皆さんは英語を話すので、フランスやイタリアよりは過ごしやすかったですが、何とも陰気で妙な国でした。
ちょうどクリスマスの時期だったので、教会で聖歌隊が歌っていました。地元の人に確認して旅行者も入って良いと言われたので、私は寒くて陰気な教会に入って聖歌に聞き入りました。ウイーンで体を冷やした私は、その後に酷い風邪をひいたと記憶しています。

この映画DVDは、中古品をアメリカから航空便で取り寄せて購入しました。現地で購入すると$8ですが、取り寄せ諸費用込みで2,500円でした。現地価格の二倍ですね。しかし日本国内でこの古臭い駄作のDVDは手に入りませんでした。

この映画を観た収穫は、「そう言えば、オーストリアって陰気で嫌な国だったなぁ。」と思い出した位です。2023/4/5

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