評伝 ナンシー関を読む。「私も昨日や今日急に太ったわけでもないし。」「野糞が仕事みたいなもの」


 









ナンシー関さんは1962年生まれで2002年に亡くなりました。生まれた年は私と同じです。死因は太りすぎと言って良いと思いますが、これはナンシーさんが身を削ってテレビ評論のために真剣にテレビを見続けていたことが原因です。

彼女は青森出身で実家はガラス屋さんですが、私の学生時代の青森市内在中の友人に尋ねたら、彼の通勤路途中にそのガラス屋さんは今でもあるそうです。

ナンシーさんは消しゴム版画で有名ですが、彼女の真骨頂はその視点の正確さ、真面目さ、筆致の鋭さ、および潔さです。「私も昨日や今日急に太ったわけでもないし。」という潔い啖呵に思わず目頭が熱くなりました。

佐賀に住んでいた時に東日本大震災があり、テニススクールで知り合った自衛官の方も応援に出掛けたそうです。彼は「被災した方々のために直ぐに風呂とトイレを用意してあげないと可哀想だ。我々自衛官は野宿と野糞が仕事みたいなものだから大丈夫ですが。」と言いました。この「野糞が仕事みたいなもの」という台詞は中々スッとでてくるものではありません。その潔さに目頭が熱くなりました。

私が自衛隊を応援したいと強く思うようになったきっかけです。私も「野糞が仕事みたいなもの」「死ぬのが仕事みたいなもの」と日常会話で言える潔い人間になりたいです。2023/3/5

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