買った当時は百万円以上を費やした大量のネクタイがゴミの山に。物に価値を見出す時代ではない。大事なのは人間と現金。
私は1985年の新卒会社入社の頃から、派手目なネクタイを買うのが好きでした。加えて当時、ネクタイは平気で1万円/本以上の値段で売っていました。日本の衣類価格がとても高かった昭和の時代の話です。
年齢を重ねるにつれてノーネクタイの風習が広がってきたこともあり、買い貯めていたネクタイは10年以上前に大量処分して、気に入っているものだけ50本位を残して、ドライクリーニングに出した後にバキュームパックして、大切に(?)仕舞い込んでありました。まあ、未練です。
さて、私は既にビジネスからリタイヤしたので、背広もネクタイも不要です。二人の社会人になった息子達に訊ねたら「そもそも、あまりネクタイは使わないし、趣味が合わないので全て要らない。」とすげなく受け取りを拒絶されました。
風俗の変化とはこう言うことなのでしょうね。自分の過去の風体(意外と派手好き❤)が否定されたようで不愉快ですが、これらネクタイが不用品であることは明らかなので、燃えるゴミとして収集日に出しました。買った当時のコストを考えると悔しいです。
2年前に藤沢の実家を売却した時に思い知りましたが、現代は、物に価値を見出す時代ではありません。大事なのは人間と現金です。
藤沢の実家は8部屋もある大きな家だったので、大型テレビ数台・ステレオセット・ソファ沢山・ピアノ2台・桐箪笥・漆塗りデスク・父親の巨大なオフィスデスク・一枚木の座り机・複数のベッド、客布団数セット、有象無象の膨大な量の衣服・冷蔵庫2台・父が亡くなった40年前に買った仏壇・山積みの書籍・食器等、絶望的に安っぽい遺物が安普請の家に詰まっていました。
積もったホコリに仏壇の線香の匂いが染みついて、家中のあらゆる家財が宿痾の如き悪臭を放っていました。
私の勉強部屋も、40年前と同じ状態で、国宝のように大切に保管してありました。当時隠してあった稚拙なエロ本も、同じ場所から発掘しました。私の高校時代のコンプレックスが呪いのように保存されているなんて、母親の周到な嫌がらせとしか思えません。
業者の内見の結果、家具等の全てがゴミと見做されたので、廃棄業者に頼んで実家の中にあるもの全てを廃棄処分して貰いました。大量の家族アルバムも家具も仏壇も私のコンプレックスも、何もかも全てです。
処理費用が50万円程度掛かりました。
この経験に基づいて、古物に囲まれて狭苦しくも不自由な思いをして暮らすのは全く馬鹿げていると思い知りました。
故に練馬の私の家において、リタイヤした私のビジネス関連の物・就職して独り立ちした息子二人の部屋に残っている物・その他の物全て、必要なもの以外は躊躇せずに捨てて行こうと思います。投げ捨てよ過去の森。
1月末から気温の上下・気圧の変化が激しくて、気圧の変化に弱い私はずっと寝込んでいました。来週位から春が来そうなので、テニス・自転車等の活動を再開しようと思います。2023/2/15